今回でクラギの話は終わりにしたいのですが、終わりますでしょうか???
さて弦については前回お話しました、ナイロン弦を使用しているクラギですが、1〜3弦(細い方)は1本のナイロン弦、4〜6弦は細い(直径はナノレベル???笑)のナイロンの線を200本ぐらい束ねたものを銅線で巻いて、銀メッキが施してあります。
音はやはり柔らかいですね、言葉であらわすと高音部は「ポロン」、低音部は「ボ〜ン」というのが一番近い気がします。まあこれも前回のテンションや弾き方、演奏のジャンルなどで「パ〜ン」と「ブィ〜ン」という感じになったり、叩きつける感じだと「バチーン」なんて感じにもなるでしょうか。

ジャンルの話をすると、これまで動画でクラプトンや村治さんの演奏を聴いていただいたようにあまり境というものはなくなっています(これを音楽用語で「クロスオーバー」といいます(笑)。
バッハなどの本当のクラシックを演奏されている方もいらっしゃいますし、日本ではいわゆるフォークシンガーの方やポップス畑の方が曲によってクラギを使われることも多いです。数年前の小田和正さんの『クリスマスの約束』というTV番組でスマップの中居君と『夜空のムコウ』を歌った時もたしかクラギだったと思います。しかしピックでジャカジャカ、ストロークとして使うというよりは指弾きアルペジオで使われることが多いですね。

あとまだまだクラギのジャンルで忘れてはいけないのが『フラメンコ』と『ボサノバ』でしょう。
フラメンコは1800年頃のスペインで、ボサノバは1950年頃のブラジルで発展した音楽ですが、そのリズム、ギターの奏法は全く異なり、独特の文化となっています。
フラメンコギターの歴史が長いため、クラシックギターの生産国としてスペインが有名になったことも知っておくべき事項だと思います。これは次回の最終章で書きましょう。終わらなかったですね(^^)

最後に動画で演奏をどうぞ
フラメンコギターの演奏です。ギターだけでもよかったのですが、ダンサーの方のリズムも入っていた方が世界観にはひたれますのでご一緒にどうぞ。

ボサノバのほうはアントニオ・カルロス・ジョピン作曲の『イパネマの娘
小野リサさんと悩みましたが、ジョアン・ジルベルトの定番演奏でどうぞ。